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大風呂敷のススメⅡ

メルマガ「シマサト」1月19日号

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「日本はもっと良くなるはずだし 良くならなくてはならない  嶋さとし」

 

300年続く企業になるには?

 

1月10日の日経新聞に孫正義社長の「300年成長を続ける企業へ」が掲載されました。

これを機に「300年続く企業、組織」になる為に大切な事を考えました。

 

─∞  目 次  ∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞

1IoT の時代に布石を打つのが太公望兵法

2. 200年長寿企業の4割が日本に

3. 松下幸之助250年、孫正義300

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1.IoT の時代に布石を打つのが太公望兵法

 

早いもので1月も半ばを過ぎました。年末には「参議院選挙があるので、それまでは株価を上昇する」などという予想がありましたが、マーケットは大波乱を起こしました。北朝鮮は水爆実験が行われる、米軍は戦略爆撃機を朝鮮半島に飛ばすなど、これも大波乱の予感がします。

こういう大波乱のときに思い出す孫社長の言葉は「迷ったときほど、遠くを見よ」というもの。荒れた海で船に乗っているとき、近くを見ていると船酔いしてしまう。「遠くを見ていれば少々のことは誤差になる」というのが、荒海の乗り切り方です。遠くを見れば、第4次産業革命の曙光が見えています。

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さて、1月10日の日経新聞に「300年成長を続ける企業へ 孫正義氏」というインタビューが掲載されています。

「会社の寿命は個人の寿命よりはるかに長くなければならない。僕は300年くらいは伸び続ける企業にしたいと思っている。今はその構えを作る道半ばだ。成長を続けるため、あらゆる言い訳を未然に察知し、解決策を準備し実行に移すことが必要になる」

この「言い訳なし」で結果を出すというのが孫正義流です。特に、私が注目したのは「あらゆる言い訳を未然に察知し、解決策を準備し実行に移すことが必要」というもの。ソフトバンク社長室長時代、これが私の仕事でした。

「孫子」と並ぶ兵書に「六韜三略」というのがあります。太公望の呼び名で知られる呂尚が、周の文王の子、武王を支えたときの兵法所と伝えられます。項羽と劉邦の時代、劉邦の軍師、張良が座右の書としたことでも知られています。

太公望兵法の基礎は、常に先の先まで考え、布石を打つことから始まります。中長期に手順を考え、基礎を積み重ねて行き、すべての物事を未然に始末していく。いざ、決戦の時にはすでに勝負がついており、不思議なほど順調に事が進むという兵法です。

ソフトバンクが携帯電話事業に参入して以来、私はこの太公望兵法に基づき策を巡らしてきました。私の社長室長8年3000日のうちにソフトバンクが売上高1.1兆円から約7兆円へと飛躍するのに、少しはお役に立ったかと思っております。

21世紀の世界経済における最大の出来事となる第4次産業革命の本番が、幕を開けようとしています。

18世紀に起こった産業革命は、蒸気機関の1次、電機の2次、生産工場の自動化の3次を経て、あらゆるものをインターネットにつなぐIOTと人工知能(AI)を融合し、様々な産業で活用する4次となります。この大きな動きに「布石」を打ち企業を成長軌道に乗せうるかどうかがビジネスリーダーに問われています。

 

2. 200年長寿企業の4割が日本 

9月に中国にお招きいただいた際、「お土産に『老舗稲花村』の月餅を買いにゆきたい」と話したところ、「人気で並ばなくてはいけない」と、招いてくださった社長が買ってきてくれました。

北京稲香村食品舗の第一号店は、清代の末である1912年に前門外観音寺に創設されています。

「中国は、革命があったので、長く続いている企業はありません。その中で、『稲花村』は100年以上続いている珍しいお店です」と言われました。

これに対して、創業100年の企業は、日本に約26,000あります。創業200年を迎えている企業が1,200社、そして創業300年を超える企業が600社程度もあります。さらに、創業400年を超える企業が190社、創業500年を超える企業が40社あります。

実は日本は、世界一の長寿企業大国といっても過言ではありません。 実は、世界全体で見ると、創業200年を超えた会社の4割以上が、日本に存在しているのです。孫社長が「300年続く企業を創ろう」と買収したアメリカ、

スプリントで述べたとき、米国のスプリント社員は違和感を持つのではと心配しました。アメリカの建国は1776年。まだ、建国240年の国なのです。 スプリントの社員は、この呼びかけにスタンディング・オベーションで応え、私の心配は杞憂に終わりました。

 

3. 松下幸之助250年、孫正義300

孫社長が300年を越える企業を創ろうというので、日本に創業300年を超える企業がいくつあるかを調べてみました。答えは605社。ちなみに、室町、戦国時代から500年以上続く企業が39社、1000年以上続く企業は7社です。

これらの長寿企業に共通していることがあります。第一に価値観を後継者、社員につないでいくのが上手であること。第二に超長期の視点から人づくりをしているということです。

 

私の師である松下幸之助氏は、「貧困の克服」という使命の実現には多大な年月が必要であるとし、250年間で達成しようと超長期の計画を提示しました。

さらに、経営者らしく250年を十節に分けました。第一節の25年を三期にわける。第一期の10年は建設時代、次の第二期の10年は建設を続けつつ活動する時代。そして、最後の5年間は社会に貢献する貢献時代。これを、十節250年間にわたって繰り返すことによって、この世を物資に満ち満ちた「楽土」とするとしたのです。

松下幸之助の250年に対抗したわけではないでしょうが、孫正義氏は2009年に創業30周年を迎えるにあたり、同様に「第二の創業」を企画し、「新三十年ビジョン」を発表し300年先を考えました。

 

300年先という単位で考えると携帯電話の端末なんていうのは、もうなくなっているかもしれない。回線という概念すらないかもしれません。

300年先を考えるなら、300年前はどうなっていたかを考えるといいとして18世紀を考えました。

 

今から、300年前の18世紀は、英国で産業革命がはじまったころである。産業革命は、筋肉機能の代替と発展であった。そして、300年経過した今、第4次産業革命が始まっています。

もう少し身近に300年続いている上場企業を考えて見ると以下の通りです。養命酒はなるほどと思いますが、住友金属鉱山、三井不動産、三越などが300年続いています。

松下幸之助は住友、三井のような老舗企業が元禄時代(1700年頃)から、社是を文書などにしていることから学び、1932年7月1日に「松下電器の遵奉すべき精神」を「社主通達」として発表したといわれます。価値観をつなぐためと考えられます。

リーダーには3つの責任があります。仕事の完成と仕事の創造。そして企業を持続、発展させるための人材育成、さらには後継者の育成です。孫正義社長はソフトバンクアカデミアを創り、ニケシュ・アローラを後継者候補に指名しました。

 

紀元前七世紀の中国山東省、斉の国の宰相、管子は「衣食足りて礼節を知る」という現実的な政治を実施しました。その管子が「一年の計は穀を樹(う)うるに如くはなく、十年の計は木を樹うるに如くはなく、終身の計は人を樹(う)うるに如くはなし」と言いました。

よく「教育」が重要だというための名言として使われますが私はそれだけではなく、リーダーは、短期、中期、長期の3つの計画を持たなくてはいけないということだと思います。

 

一年の計、「穀」は毎年の仕事できちんと実績を出すこと。十年の計、「樹」は将来のための新規投資をすること。そして最後が人材教育、後継者育成だと思います。ソフトバンクが「300年続く企業」になるかどうかを注視しながら、このメルマガをお読みいただいている皆さんの企業が「300年続く企業」「組織」になることを祈念いたします。

 

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嶋聡

2016.1.19号 NO.14

株式会社嶋総合研究所 03-6811-6081

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メルマガ「シマサト」1月12日号

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「日本はもっと良くなるはずだし 良くならなくてはならない  嶋さとし」

 

年の初めに考える・・GDP 600兆円は大風呂敷か?

 

日本の一人当たりGDPはシンガポール、香港に抜かれた。

2020年、GDP600兆円という大風呂敷な目標実現に向かうべきである。

そのためにはIoT革命による「製造業復権」が鍵となる。

─∞  目 次  ∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞

1.日本のGDP

2 IoT革命に集中せよ

3.シンガポールに抜かれ、韓国に迫られる日本

4..製造業復権が「インダストリー4.0」の目標

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1.日本のGDP

 

明けましておめでとうございます。

本年は丙申。丙は「火」で太陽を現す。隅々が照らされて、陽気が強く、積極的で活発。物事が明らかになり、今までいい加減にしておいた物事がはっきりしてくる。そこで行動的になる年であるといわれる。

 

安倍首相が14年度で491兆円である日本の名目GDPを20年度に600兆円にするという目標を掲げた。今年はこれが実現できるかどうかはっきりする年になる。実現には、実質GDPの成長率が18年度2.6%、その後も2%を越えることが条件となる。目標値は名目なので、消費者物価の上昇率の想定を見ると17年度3.1%、それ以降は2%が続くことになっている。

IMFの予測では2020年の日本のGDP予測は530兆円。600兆円は明らかに「大風呂敷」な目標である。経済界首脳からも実現不可能との声が多く聞かれる。だが、私は首相が大風呂敷な目標を提示したことは評価する。後は、「有言実行」でこれを実現すべくリーダーである首相に迫ることだ。

1月4日から国会が始まった。松下幸之助塾長は「政党は互いに非難中傷する競争をするより、国民にいい政策を訴える競争をすべきだ」と言った。ここは、野党もいかにしたら、600兆円という目標を達成できるかという政策を提示して、政策競争をすべきと思う。

 

2IoT革命に集中せよ

 

もし、私が今、政治家だったらどうするかは明確である。世界の大きなトレンドである第4次産業革命に日本経済をいかに乗せるかに政策を集中するのである。

世界を覆うのは第4次産業革命というべき、大きなうねりである。19兆ドル。米シスコ・システムズは、インターネットが様々なモノをつなぐことで、10年間にそれだけ巨額の経済価値を生み出す、と試算する。IoT(インターネット・オブ・シングズ)やAI(人工知能)は、今後どのくらい加速するか想像もつかない。

 

21世紀初頭は「IT革命」、これから2020年代は「IoT革命」の時代となる。20世紀初頭に森首相は「IT革命推進本部」をつくり、日本にIT革命を促した。ITを「イット」と読んだとか揶揄されたが、時の首相がIT革命に進むという方向性を示したことは評価されていい。

IT革命推進本部の議論が契機となり、NTTの通信回線が開放され、インターネットが普及した。それが携帯電話時事業を発展させ、スマホ革命で情報通信事業を飛躍させ、ライフスタイルを変えた。次はIoT革命である。

 

ドイツはインダストリー4・0、アメリカはインターネット・インダストリーと第4次産業革命、IoT革命に国家政策として協力に推進している。ドイツではシーメンスやボッシュなどが中心となり、IoTに関する独自規格をつくって、主導権を取ろうとしている。

米国IoT団体の代表格がIICだ。IICは4・0と異なり、海外企業の参加も可能だ。世界の優良企業を集め、世界標準にしようとしている。

 

3.シンガポールに抜かれ、韓国に迫られる日本

 

年末にショッキングなニュースがあった。日本の一人当たりGDPが2014年にOEGD内で20位となり、統計が確認できる1970年以来最低になったのだ。1970年といえば、大阪万国博覧会の年である。

もはや経済成長はいらないという意見もあろうが、国民の生活水準を示す一人当たりGDPを伸ばそうというのに異論がある人はなかろう。

私が初当選した1996年頃は一人当たりGDPは、世界第3位だった。2009年、民主党が政権交代したとき、民主党に懇意の財界人がいなかったのでアドバイスを求められた。そのときは、円高の影響もあり、一人当たりのGDPが10位ほどだったので「十年以内に一人当たりGDP,世界一をめざすという成長戦略を造るべきと提言したも。

それから五年。もちろん、円安も原因なのだろうが、20位にまで下降し、23位の韓国に近々、抜かれるという話も現実味を帯びている。

ちなみにシンガポールや香港にはすでに抜かれている。12月に京都に行った。豊臣秀吉の妻、「ねね」の菩提寺である高台院で、日本人と間違えるほど着物がよく似合う母・娘がおられた。写真を頼まれたので「どこからですか」と訪ねたら香港からとのことだった。光源氏の旧跡を訪ねていたら父親も含めて、家族6人が着物を着て庭園をにぎやかに歩いておられたのも、シンガポールから来た家族だった。

円安で日本に来やすくなったのだなと思っていたが、なんのことはない、すでに、実質的に日本より豊かになっているのだ。日本も少なくとも一人当たりGDP、アジア1位の座は取り戻すべきであると思う。

 

 

4.製造業復権が「インダストリー4.0」の目標

 

成長戦略を政府が考えるとあれもこれも詰め込んで、結局成果が上がらない。「戦略」とは、「戦い」を「略」することである。

IoT とは、モノがインターネットに相互接続されることである。健康管理されるとかサービス面が強調されることが多いが、実はドイツの、インダストリー4.0は産業の空洞化対策、製造業の復権をIoT でなすことが戦略目標である。

 

ドイツでも、日本と同様に新興国の安い労働力による低価格攻勢、IT革命による急速なキャッチアップでの産業の空洞化が進んでいた。それをIoT を製造プロセスに応用して、ネットワーク化し、製造プロセスをスマート化することによって、ものづくり産業を復活させようとしているのである。

 

成長戦略というと、グーグルやフェイスブックのようなIT企業を育てる日本版シリコンバレーをつくろうとか、東京を金融センターにしようとかいう提案がよくある。しかし、国際ビジネスを経験した私からすると、IT関係はシリコンバレーにかなわないし、金融もイギリスにはかなわない。やはり、日本が特異なのはドイツと同じようにモノづくり産業、製造業なのである。

ドイツが、インダストリー4.0で製造業復権をめざすように、日本もIoT による製造業復権を戦略目標とした「成長戦略」に集中すべきである。

 

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嶋聡

2016.1.12号 NO.13

株式会社嶋総合研究所 03-6811-6081

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メルマガ「シマサト」12月8日号

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「日本はもっと良くなるはずだし 良くならなくてはならない  嶋さとし」

 

東京オリンピックは中間目標、リニア開通でスマート列島に!

IoT は世界の都市をスマートシティ化する。2020年、東京オリンピック。2027年、リニア新幹線名古屋まで開業。この二つのビッグプロジェクトを活かし、アジアの都市のモデルとな連なったスマートシティをリニア沿線に作るべきである。これは日本列島をスマート列島にすることに他ならない。

─∞  目 次  ∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞

1IoT で「最良の都市 東京」を目指す!

2.元祖大風呂敷、後藤新平

3.2025年、88になる世界のスマートシティ

4..2020年オリンピック、2027年リニア名古屋まで開通

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1.IoT で「最良の都市 東京」を目指す!

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東洋大学現代社会総合研究所主催のシンポジウムで基調講演をさせていただいた。テーマは「ITが開く都市経営の未来・・2020東京オリンピック、パラリンピック開催を前に」である。

 

今後の都市経営はIoT  を考えて進める事が成功の鍵となる。モノとモノをつなぐセンサーは2007年には100万個であった。それが年率220%の伸びで、2013年には35億個、東京オリンピックの開かれる2020年には1兆個となる。まさにトリリオンセンサー社会となるのだ。
これを都市経営に活用しない手はない。

 

都市の交通渋滞の30%が駐車場を探していることによって起きる。これはサンフラン

シスコが導入済みのスマートパーキングメーターでかなり解消できる。ゴミの排出量は世界の都市全体で13億トンから22億トンとなり、コストは3735億ドルとなる。これもゴミコンテナにセンサーをつけることによって、定期的な回収から一杯になったら回収するという手法を導入することで30%コスト削減できる。

 

街灯はいまだに「三丁目の夕日」の60年代の技術のままである。これもLED化し、センサーを付けることによって、コストは70%、犯罪発生率は7%減らせる。

東京オリンピックを機に東京が目指すのは「最大の都市」ではなく、IoTによってスマート化した「最良の都市」であるべきだと話した。

 

 

2.元祖大風呂敷、後藤新平

 

私の発想はいつも「大風呂敷」と言われる。その「大風呂敷」の元祖と言えば、1920年に東京市長、関東大震災後の復興院総裁、逓信大臣などをつとめた後藤新平である。

東京市長の際、100メートル道路と環状一号から8号までの環状都市構造を創ろうとした。これは挫折したが、関東大震災後、幅44メートルの昭和通り、36メートルの靖国通り、外堀通りを造った。下記の写真は当時の昭和通り。なるほど、大八車しか走っていなかった当時は無意味に広かったが、自動車の時代となった今は、これでも狭い。

 

環状道路構造も自動車の時代には合理的で21世紀にも通用する。ニューヨークのマンハッタンは格子状なので右折、左折に時間がかかり、道路が都市面積の20%以上もあるのに渋滞がひどい。東京は16%である。

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後藤新平の発想の根源は、現世利益をめざす普通の政治家と違って「自分のときでなく、自分が死んで何世代かしたときに実ればいい」いう射的距離の長さである。皆すぐに「現世利益」を考えるが、百年先にわかればいいという思いで面白がって仕事をしている。そんなところが私が共感を覚えるところである。

 

後藤新平が今、生きていて東京オリンピックを見据えた都市経営を考えたら、東京オリンピックをゴールではなく、中間目標として第4次産業革命にふさわしい東京を作るための「都市改造」をするに違いない。それは世界の最先端を走る「スマートシティ」である。

 

 

3.2025年、88になる世界のスマートシティ

 

スマートシティの定義は道路、水道、電力、ビルなど3つ以上を情報コミュニケーション技術で統合した都市というものである。現在は世界のスマートシティの数は21だが、2025年までに88へと4倍に増えると予測される。

 

インドはデリーからムンバイを高速貨物鉄道で結ぶ「デリー・ムンバイ」大動脈構想を持つ。さらに、モディ首相が音頭をとって、先端技術で社会インフラの効率を高める「100箇所スマートシティ構想」を掲げている。

 

この構想には日本からの援助もあり、日本企業が多く参加しているが、手本にするのは残念ながら、シンガポールとソウルである。日本にアジアのモデルとなるスマートシティをつくるべきである。

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4..2020年オリンピック、2027年リニア名古屋まで開通

 

2020年東京オリンピックが終わったあとの経済失速を懸念する人がいる。東京オリンピックを中間目標と考えれば、もう一つ大プロジェクトがある。2027年までにリニア新幹線が名古屋まで開通するということである。

 

リニアが名古屋まで開通すれば、東京―名古屋間は40分。東京圏3562万人、名古屋圏1135万人、山梨圏86万人、長野圏215万人、静岡圏377万人となり5千万人経済圏が出現することになる。

 

東京だけでなく、リニア沿線の山梨、長野、静岡、名古屋などをスマートシティ化し、日本列島をスマート列島にする。この過程を通して、日本の「第4次産業革命」を地域の企業に展開してゆく。これが、日本経済が東京オリンピック後も変わらず成長する戦略であると思う。

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嶋聡

2015.12.8号 NO.12

株式会社嶋総合研究所 03-6811-6081

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メルマガ「シマサト」12月1日号

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「日本はもっと良くなるはずだし 良くならなくてはならない  嶋さとし」

IoT こそ地方経済復活の鍵!

 

─∞  目 次  ∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞───∞

1.地方こそIoT の実験場になる

2.地方は第4次産業革命で復活できる

3.日本もIoT 政策推進を!

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1.地方こそIoT の実験場になる

 

IoT が将来の経済を開くという言葉をよく聞かれると思う。IoT とは、Internet of Things(モノのインターネット化)の略号である。

基本的にコンピュータを組み込んだ機器は、インターネットに接続することで、新たな付加価値を生みだす。多くの家電メーカーや自動車メーカーなどは、この分野に力を注いでいる。

IoTが進むと 、身の回りにあるモノにセンサーが組み込まれて意識することなく直接インターネットにつながり、そこから集められた、ビッグデータによって、効率化がすすむ。これが第4次産業革命につながる。

 

建設機械の「コマツ」はIoT の先進企業と言われる。チリやオーストラリアの鉱山を走るダンプにセンサーを組み込み、データを分析した結果を持って、自動運転に切り替えたところ、路肩から落ちるなどの事故が激減したという。人間が運転するより、無人運転のほうが事故が少なかったというのだから驚きである。

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このところ地方で講演させていただくことが多い。もちろん、講演がメインなのだが、この際、日本というものを改めて考えてみようと、地域の名所旧跡を訪問している。行くのは、会場のホテルからタクシーなのだが、困るのが帰りのタクシーである。東京のように流しのタクシーなどないからだ。

先日、会津に行った。タクシー会社の電話番号を聞いておいたのだが、広い会津若松城で「お城にいる」としか説明できず、運転手さんをずいぶん困らせた。

こんなとき、スマホでタクシーを呼べるUber などのネットを通してタクシーを呼ぶシステムがあると便利なのだと思う。いちいち個別のタクシー会社に電話して、自分のいる場所を説明するかわりに、スマートフォンでUber  のアプリを使えば、自分のいるところがGPSを通して自動的に伝わる。広いエリアを少ない台数で効率的にカバーするのに役に立つテクノロジーだと思う。

 

自動車の無人運転も、東京より地方に向くと思う。自動運転車は車が多く、危険な東京でなく、安全な地方から実験を始めたほうが確実だと思うからだ。

私は三十八歳のときに衆議院議員に当選して以来、免許は持っているが車の運転はしたことがない。おかげで、ずっとゴールド免許である。地方に行くと駅から遠い山城、古戦場などを訪問するとき、レンタカーは運伝できないのでタクシーで行く。途中の道は広く、しかもほとんど対向車もなく快適である。

古戦場につくと、タクシーの運転手さんに待っていてもらうのだが、当然、その間料金がかかり落ち着かない(笑)。将来、自動運転のレンタカーがあれば、借りて見たいと思う。

 

地方には高齢者が多い。高齢者の運転が危ないので免許の制限をなどという声がある。

しかし、地方は車がなくては生きていけないのだから、車のIoT化を地方こそ進めていくことが地方の消滅を防ぐことにつながってゆくと思う。地方こそIoT の先進実験場になりうるのだ。

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2.地方は第4次産業革命で復活できる。

 

これからの時代は人工知能とIoT の第4次産業革命に入っていく。第一次産業革命は18世紀の綿織物工業、第二次産業革命は20世紀初頭の電気による大量生産、第三次産業革命は1980年代のコンピューターによる自動化である。

第四の産業革命はIoTと人工知能によってさらに生産性が高まり、社会に革命とも呼べるほどの大きな変化をもたらすことを意味する。この大きな波にのっていくことが、日本の中堅、中小企業を飛躍的に成長させ、地方を復活させる王道であると思う。

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大分に講演にお招きいただいた。講演後の質問で、「地域は今後どうあるべきか」と聞かれた。

25年前、「地域から日本を変える運動」を松下政経塾で行っていたことを思い出した。

当時の平松知事が「一村一品運動」を提唱し、地方分権の先駆けとなった。「短期目標は一村一品運動による意識改革。中期目標はシリコンアイランドとよばれる九州2次産業群の高度化。長期目標はアジアからの人々を日本に受け入れる広い意味での『港』、アジアポート構想」という話であった。大分は地方から日本を変える先進地だったのだ。

 

25年前も訪問した、中津、杵築を再訪問した。中津は、NHK大河ドラマ、軍師官兵衛の影響もあり町並みも整備され「中津で天下の夢を見た」との旗がはためいていた。観光案内所の担当者の説明がよかった。私の滞在時間を先ず聞いて、プランを練ってくれるのである。「鱧(はも)」が名物とのことで、各レストランで「鱧祭り」を行っており、夕食の場所まで教えてくれた。

大分空港近くの城下町杵築は「全国一和装の似合う街」といわれる。別府に立命館アジア太平洋大学があり、そこの留学生と友人が杵築にきて、珍しいからと着物をレンタルして歩くようになり、国際色豊かになったとお店の人から聞いた。一村一品で全国的に有名になった「カボス」をお土産に買った。さすがに、地域づくりの先進地だなと感心した。

 

ただ、経済が順調に伸びているかというとそうでもないようである。地方に若い人が来ない。特に若い女性がいなくなる。したがって、出生率が下がり、地方は消滅するというのが「地方消滅」といわれる風潮である。大分も例外ではないようだ。

地方中心都市である大分でも、若い人をひきつけるような、「やりがいのある仕事」「相応の賃金」を払える環境にはないということであろう。

 

私の政治家時代の地元は愛知県刈谷市、安城市などで、トヨタに近く、自動車産業、ものづくり産業のメッカである。ここでは、地方に住みながら大企業および大企業に準じた賃金を得ているので、人々を引きつけている。もちろん、その地域の中堅企業、中小企業はIoT に積極的に取り組んでいる。

 

私の講演を聞いていただいている地方都市にはものづくり産業が多い。ものづくり産業こそIoT で飛躍的な成長をとげうる産業である。企業のリーダーがIoTを深く理解し、 営業、マーケティング、商品企画に力をいれる。そうすれば、付加価値生産額を高め、労働生産性、賃金も上がっていく。「やりがいのある仕事」、「相応の賃金」を提供する企業が実現するのである。その鍵こそが、IoT なのだと思う。

 

 

3.日本もIoT 政策推進を!

 

ドイツでは、国を挙げてこの第4次産業革命に対応しようとしている。これを「インダストリー4.0」という。中小企業から大企業まで幅広く対象にしている。

アメリカではオバマ政権が「アメリカ国内に製造業を呼び戻す」と宣言。生産は消費地で行うことが理想と、「製造業雇用の100万人創出」を打ち出しました。その鍵がIoT であるとして、世界最大の企業、GEのCEO、ジャック・イメルトがインダストリアル・インターネットの旗を振っている。

日本は「ものづくり」大国であったし、これからもそうあるべきだと私はおもう。第4次産業革命で、ものづくり産業は進化する。日本にあたらしい飛躍の窓が開かれている。

しかし、日本政府の動きはドイツ、アメリカに較べると遅い。日本も第4次産業革命への舞台へ躍り出るときである。

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嶋聡

2015.12.1号 NO.11

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中国に何が起きているのか?・・北京は地方からの「爆買い客」で一杯

中国視察、姫路城 026

〇北京は地方からの「爆買い」客で一杯

9月11日から17日の一週間、中国北京、河南省の省都鄭州に講演にお招きいただき、訪問した。上海株式市場の混乱、ドルペッグがされているゆえの元高による輸出の低迷など中国経済は減速し、「中国経済は崩壊する?」との報道が乱れ飛ぶ中での訪中であった。現地を見た私の感想は「中国経済は崩壊するか?」答えは「ノー」というものである。

 

中国は「投資主導による高成長」から「消費主導による中成長」への移行時期である。五年ほど前は、アメリカでは70%、日本では60%の消費が中国では35%だった。ところが、直近は投資がGDPの50%、消費が46-47%になり、後5年もすると50%に達すると予測されている。

今回は妻も一緒に招待を受けた。上海はたびたび出かけたが、北京は初めてということなので、日曜日に故宮・紫禁城を訪問した。九月三日に「、「中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利70周年大会」の軍事パレードがあったばかり天安門広場、紫禁城は地方からの人であふれていた。

「ほとんどが、地方からの人です。高速鉄道(日本の新幹線のようなもの)ができて、以前は北京に来るのに何日もかかったのに一泊二日でこられるようになりました。新中間層の夢は北京で買い物すること。北京に来て、爆買いをし、隣近所に「北京に行ってきた」と配りまくるのだそうだ。

 

十年ほど前に紫禁城に来たときは、入り口の行列はあったが、中に入るとすいており、紫禁城の壮大さを味わうことができた。入場券販売の手際がいわゆるお役所仕事で生産性が低いのが原因だった。ところが、今回はどこまで行っても、人、人、人。地方からの団体客が添乗員の旗を目標にゾロゾロと歩いていた。

 

妻は北京の道路の広さ、高層ビル群に驚いた。私たち東京都港区にすんでいるのだが、北京の道幅は広く、碁盤の目のようになっている。かつて多かった自転車は姿を消した。しかも、自動車が極めて綺麗なのである。大気汚染や交通渋滞の深刻化が原因で、自動車購入の際のナンバープレート登録が難しいので、自動車は稀少品なのである。

「自動車は欲しい人は多いが、ナンバープレートが入手できないので、皆、幸運を待っている」とのことであった。

北京市は11年からナンバーの登録台数の制限策を導入。導入前の自動車販売台数が年間約90万台だったのに対し、13年は60万台だった。といっても、日本の新車販売台数は550万台ほど。北京の人口は1100万人だから、自動車需要は旺盛である。

北京を案内してくれたガイドさんが行った。

「中国では、九月が昇給のシーズンです。私の会社も九月十五日から、給料が10%あがります」

10パーセントも給料が上がるというのは、日本の高度成長並みである。これなら、消費がいずれGDPの50%を超すというのも間違いない。

習政権の「腐敗撲滅運動」も徹底している。地方政府の役人が、粛正をおそれて、公共事業を進めないのが経済停滞の原因などと日本では報道されているが、基本的にいい方向である。

私たちが若手起業家にご馳走になった「白家」という宮廷を模したレストランは「以前なら党幹部の予約で一杯だった。今は民間人でも予約が取れて楽しめる」ということだった。彼らの言う「民間人」で店は一杯だった。北京の人々の消費意欲は極めて高い。

39DSC_0515なお、「白家」に限らず、レストランのサービス向上はめざましい。北京でお昼を食べた「火鍋」の店では、妻が「トマトと卵の炒め物を食べたい」と言ったが、あまりに大衆料理でメニューになかった。普通なら「没有(メイヨウ=ありません)」で終わるのだが、特別につくってくれたのだ。

なお、「白家」に限らず、レストランのサービス向上はめざましい。北京でお昼を食べた「火鍋」の店では、妻が「トマトと卵の炒め物を食べたい」と言ったが、あまりに大衆料理でメニューになかった。普通なら「没有(メイヨウ=ありません)」で終わるのだが、特別につくってくれたのだ。

その店は人気店ではあるが、特別に高級店というわけではなかった。日本のサービスを学んでいるという。

 

広島で思い出した松下塾長の「観光立国」構想

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広島に講演にお招きいただきました。「08年の日仏友好150周年で、モンサン・ミッシェルと宮島をならべたキャンペーン以来、フランス人観光客が多くなりました。フランスでは、京都についで広島が有名です」との説明を受けました。 フランスは世界一の観光立国で、8473万人の観光客を集めます。
「日本は世界一の観光国家になるべきだ。そのためには、自然の景観が美しいだけではいけない。すばらしい町並み、すばらしい施設、すばらしい環境を持つ国にしなければならない」
松下幸之助
日本の観光客が1400万人になったと喜んでいますが、フランスに較べるとまだまだだです。タイの2655万人にもはるかに劣ります。
平和記念講演を訪問しました。欧米人観光客が平和の祈りの前で列をなしていました。戦後70年で日本ではともすれば風化することもある「平和への祈り」が、70年立って、世界に浸透してきたようです。
外国人が「行きたい」と思う条件は「気候」「自然」「食事」「文化」といわれます。
広島は瀬戸内式気候で晴れの日が多い「気候」です。「自然」宮島に見るが如く、海と島の調和が取れています。「食事」は海の幸が豊富で「お好み焼き」もあります。そして、「文化」が70年戦争をしてこなかった「平和国家日本の象徴」と言うことなのでしょう。
 日本の文化は、京都の寺社、茶道からアニメ、マンガなどありますが、「70年間戦争をしなかった平和国家日本」というイメージも重要になると思います。日本人がスイスに抱くイメージのようなものを世界に根付かせられればいいのにと考えた広島でした。
(写真は 日仏友好150周年のポスターより)広島 宮島 モンサンミッシル
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