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大風呂敷のススメⅡ

司馬遼太郎「街道を行く」と二十二年ぶりの八戸

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青森県八戸で二十二年ぶりに講演させていただいた。

司馬遼太郎が「街道をゆく」の中で「どこかの天体から人がきて地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき、一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした。」と絶賛したのが八戸である。八戸港を擁した八戸市街を見るととても24万の人口とは思えない風格がある。

22年前と言うと私が30代。熊本県知事出身の細川護熙氏が総理となったこともあり、「中央集権から地域主権」へという胎動があった。私も、松下政経塾の研究所長として、「地域から日本を変える運動」に邁進しており、全国の青年会議所を中心に講演に呼んでいただいており、その一環として八戸で講演させていただいたのだ。

22年ぶりにそのころの「青年」にお会いした。皆、地域経済を支え、八戸のまちづくりに尽力された方たちである。市会議員の方もおられた。青年会議所の幹部が商工会議所の幹部になっておられた。

お昼は、地産地消、八戸の魚介類を使ったブイヤベース。夜は、国の重要無形文化財「えんぶり」を拝見しながら、B級グルメグランプリのせんべい汁。さすがに地域主権フォーラムを22年前に行った八戸で「まちおこし」も見事なものと堪能させていただいた。

22年前、地域主権フォーラムで紹介した明治の文豪徳富蘆花の言葉を思い出した。
「英仏の例を見ると、国家の実力というものは地方に存在する。地方の血液が新鮮であれば、国は元気旺盛である。・・都会に汚されずドシドシ健全な血液を都会に送るのは地方の責任で、ことに地方有志家の責任である」

八戸が益々奮起され、日本に刺激を与えてくれることを願うものである。

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なお、青森では南部美人か津軽美人かの論争があるそうだが、写真は「南部美人」の皆様である。

現代の「飛耳長目」?ニュースZAPに3時間生出演。

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2月4日、BSスカパーのニュース・ZAPという3時間番組に生出演いたしました。
CNN,BBC,日経CNBCのニュースを視聴しながら、コメントをするというものです。MCは元NHKの神田愛花さん、ザッパーは「インテル、入ってる」のナレーションで有名なショーン・Kさん。
社長室長時代はこの種の番組の出演は控えていたので、生番組のコメンテーターは久しぶりでした。

私は朝4時台に起きますが、最初に、モーニングティーを飲みながら見るのは深夜1時に録画したCNNの「コネクト・ザ・ワールド」。その後、朝日記をつけ、朝読書。7時から朝食とともにCNNトゥディを見るのが日課です。

当日朝に、イスラム国によるヨルダン、パイロット殺害のニュースが飛び込んできました。残虐非道であることは論を待ちません。ヨルダンから発する空爆でイスラム国はかなり弱っているという説と、地上軍ではイスラム国に対抗できる勢力はまだなくまだまだ勢力は伸びるという説があり、いまだ予断をゆるしません。カーター新国防長官になった米国が地上軍投入まで決断するかが次の鍵になります。

何にしても、孫子に言うように「兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからず」です。米国の地上軍投入、日本がどうかかわるかは慎重にも慎重である必要があります。

吉田松陰が開いた「松下村塾」には「飛耳長目(ひじちょうもく)」と表紙に書いた帳面が置いてあり、塾生たちは自由にそれを読むことができました。
「飛耳長目」には、国内の動きや外国との条約交渉経過などあらゆる情報が日々書き加えらえました。江戸から帰ってきた藩士からの話し、諸国をまわってきた商人その他、松陰のもとに集まる情報を書きつづったものでした。
「耳を飛ばし目を長くして、できるだけ多くの情報を入手し、将来への見通し、行動計画を立てなければならない」と松陰は塾生たちに情報の必要性をといたのです。

政治から経済まで、話題は多岐にのぼりました。習近平中国国家主席にお会いしたときの話。「政から民へのトップランナー」になりたいと孫正義社長にお願いしたとき、「やりましょう」とすぐ決まった話など、神田愛花さんの進行がうまいせいか、あっというまの三時間でした。
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まさに、ニュースZAPは現代の「飛耳長目」。BSの241チャンネル(BSにして、10を押すと200まで行くので、そこからチャンネルを241にしてください)月から金まで12時から3時まで放送しています。ぜひ、ご覧ください。

ところで、ショーン・Kさんと並んで映ると顔が大きいことが歴然。プロデユーサーからは「テレビは横に広がります」と言われましたが・・。ダイエットを決意したニュースZAP出演でもありました。

 

ナンバー2なのに、ナンバー1の都市、群馬県高崎市。

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昨秋に引き続き、群馬県高崎市に講演にお呼びいただいた。

高崎市は交通の要地であるが、県庁所在地ではない。普通に考えれば、県都前橋に続き、ナンバー2の都市である。ところが、高崎は人口37万人と、前橋の34万人を上回り、県下ナンバー1の都市なのである。

全国的には県の中でも、県庁所在地一極集中が顕著になっている。ナンバー2受難の時代である。その中で、高崎の頑張りはすばらしい。

二〇〇六年、ソフトバンクはボーダフォンジャパンを買収し、携帯電話事業に参入した。
しかし、前途は洋々ではなかった。ボーダフォンジャパン時代は万年Bクラスの負け癖がついていたのだ。
当時の携帯電話のシェアはNTTドコモ55%。KDDI、25%。ソフトバンク16%。一度も純増トップになったことがないというのだから、シェアが覆るわけがない。

「絶対に勝つのだ。『勝ちグセ』をつけなくちゃいけない。そのためには一度でもナンバー1をとるのだ。一度勝ったら勝ちの味がわかる。そうすれば、社員の士気が上がり、モラルも向上する」

そして、とうとう二〇〇七年五月に純増トップをとることができた。その後、ソフトバンクは純増トップでないことがニュースになるほど純増トップを続けてゆく。「ナンバー1って楽しい」ということが社員に理解され、士気が上がったのが最大の原因であると思う。

高崎も、県下ナンバー1であることを意識した行動をしてゆくことが、今後の地域づくりの要諦であると思う。

ところで、9月12日の講演のとき、群馬県のキャラクター、「グンマちゃん」がゆるキャラグランプリで12年、13年と連続3位だと聞いて、「3位ではダメです。ナンバー1になると意識が変わります」と申し上げた。

その後、11月3日、愛知県常滑市で行われた1700体が参加した「ゆるキャラグランプリ」で1位をとられたので、今回、お祝いを申し上げた。「ナンバー1って楽しい」のである。

群馬県はどちらかというと「イメージが薄い」県である。このところ、「富岡製糸場」が世界遺産に選ばれて注目を浴びた。
私が群馬でも、「大風呂敷経営こそ、日本復活の道」と主張した。考えてみれば1872年に世界最大規模の富岡製糸場を造ったのだから、群馬県の人々の先祖は十分に大風呂敷だったのである。

グンマちゃん、ゆるきゃらナンバー1を機に、群馬全体も新たなる飛躍の軌道に乗られることを願うものである。

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立身出世の街、浜松とアニマル・スピリッツ

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内外情勢調査会の浜松支部に講演にお招きいただき、浜松に行ってきました。
浜松市役所訪問前に少し時間があったので、直近の浜松城へ。徳川家康のあと、浜松城を守ったのは25代の譜代大名たち。彼らの多くが幕府の要職に登用されたことから、
浜松城は「出世城」と呼ばれています。
写真にあるように「出世大名家康君」があちこちにありました。「立身出世」を言うのがなんとなく気恥ずかしいと思われるような風潮の中で、これだけ「出世」を堂々と言っている浜松は「次代」を拓くエネルギーが醸成されていくのではないかという可能性を感じました。
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ケインズが、一般理論の中で、企業家が投資を決めるのは利子率などの合理的判断もあるが、最終的には企業家の持つアニマル・スピリッツだと言っています。アニマル・スピリッツは「野心的意欲」とか「動物的衝動」と訳されます。金余りの日本なのに、なかなか経済が上向かない日本の問題は、企業家がアニマル・スピリッツを失ったからだと言われています。

浜松は「やろまいか」精神の地と言われています。講演ではソフトバンク、孫正義社長の経営戦略、手法について話をさせていただいたのですが、なんとなくソフトバンクの文化と浜松市の文化は似ているようです。これだけ「出世」を堂々という文化があれば企業家のアニマル・スピリッツものびのびと発揮されるでしょう。浜松が日本経済を復活させるビーコンとなっていただけることを期待します。

ところで、出世城に行ったり、「出世大名家康君」にあったご利益でしょうか。浜松から帰ったら、東洋経済から「孫正義の参謀・・ソフトバンク社長室長3千日」増刷のお知らせがありました。浜松の皆さん、ありがとうございました。

「孫正義の参謀・・ソフトバンク社長室長3千日」の読み方

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2015年1月8日の初荷にて「孫正義の参謀・・ソフトバンク社長室長3000日」(東洋経済)が全国の書店に配本されました。

この本のベースとなったのは私が2003年から書き続けている「朝日記」です。したがって、日時なども正確に入れ、自らの「正史」のつもりで書いております。
その結果、422ページの大著となってしまいましたので、読み方のガイダンスをお知らせしたいと思います。

1. 序章の「ソフトバンク社長室長、八年三千日」をまずお読みください。全体が概観できます。

2. 内容は三部構成です。興味のある分野をまずお読みください。写真
第一部 携帯事業への参入と「光の道」構想
第二部 自然エネルギーへの挑戦
第三部 アメリカ市場への大躍進

3. 前述の「朝日記」を縦糸に、シュンペーターの「経済発展の理論」を横糸に書き進んであります。イノベーションこそ日本経済復興の肝であるという、経済復活への提言書としても読んでいたければ幸いです。

この種の本は、もっぱら出来事のみを追い、そこに動く人物に言及することが少ないといわれています。「孫正義の参謀」は孫社長と私、そして同志たちがいかに大事業をつくっていったかに焦点を合わせています。ぜひとも、ソフトバンク社長室長3千日の疾駆を体験していただきたいと思います。

 

負けない国「ベトナム」でのクリスマス休暇

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クリスマス休暇をとって妻とベトナム、ハノイに行ってきました。

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2013年の夏、ニャチャンのリゾートで過ごすためにホーチミンで一泊。そのとき、戦争証跡博物館に初めて行った妻がアメリカ軍の使った戦車やヘリを見て「よく、こんな近代装備を持ったアメリカに負けなかったわね」とつぶやきました。通訳さんが「ベトナムは、モンゴルにも、中国にも、アメリカにも負けませんでした。周囲にたくさん生えている竹で戦ったのです」と言われました。

そのとき以来、「負けない国」ベトナムに興味を持ち、今年のクリスマスはベトナム、ハノイで過ごしました。

モンゴル帝国からは1257年、84年、88年と三度の侵攻を受けました。白藤江の戦いで潮の満ち干が大きいのを利用して勝利を得ました。底に杭を打ち、潮が引いたときにはモンゴルの船が引っかかってしまうようにしたのです。杭で動けなくなったモンゴル船は大越軍の標的となりました。日本の「神風」と異なり、自らの工夫で勝利したことに意味があります。

1979年の中越戦争では、鄧小平の「ベトナムを懲らしめる」発言や、「1週間で終わらせる」という軍の思惑とは異なり、長引きました。ベトナム戦争で培ったジャングルでの神出鬼没な戦術を駆使。「ジャングルを進軍していて目的地につくと知らぬ間に何人かいなくなっている」と中国軍を恐怖に陥れました。

ホーチミンの質素な住居。「赤いナポレオン」と呼ばれたボー・グエン・ザップ将軍が指揮をとったタンロン城跡にある地下司令部。「負けない戦い」をするベトナムから学ぶことは多いと感じました。

とはいうものの妻との旅行ですので十分楽しみました。ベトナムはフランスの植民地だったため、フランス料理が美味しかったです。宿泊先のソフィテル・レジェンド・メトロポール周辺は結婚記念の写真をとるカップルが多く、華やいでいました。

007の「トモロー・ネバー・ダイ」の舞台ともなった「ハロン湾」にも行きました。ただ、私個人としては「陸のハロン湾」と呼ばれるタムコックの方がお進めです。桂林に似た風景の中をゆっくりと川くだりが楽しめます。

ただ、昨年のクリスマス休暇を過ごしたタイ、バンコクとくらべると戦渦に何度もあっているハノイの寺院などは華やかさはありません。文化の繁栄をもたらすには「平和」が必要であることを実感したベトナムの休暇でした。